スポンサーリンク

こんにちは、co-daです。みなさんはパン焼き機を買おうか悩んだことありますか?なんとなく憧れて買った方もいるでしょう。我が家も結婚するときに、電気屋さんでパンの焼けた良い匂いにつられて、ルンルン気分でパン焼き機を買いました。

「いつでも焼きたてが食べられる!」

「お米を炊いてパンにしてくれるから、米粉を買う必要が無いなんて便利!」

「スイッチポンでパンができるなんて楽!」

「朝から焼きたてのパンが食べられるなんて幸せそう。」

「パン代の節約になる!」

そんな夢を見て買いました。物を買う時は頭は幸せでいっぱいです。なんでもやってあげようと考えていました。

現実はどうだったのか?

○いつでも焼きたてが食べられる!

もちろんいつでも焼きたてを食べることができます。しかし、セットしてから食べられるまでに普通のパンなら3時間半かかります。パンが出来上がる頃には、食べたかった気分も通り過ぎていたりします。

○お米を炊いてパンにしてくれるから、米粉を買う必要が無いなんて便利!

お米から炊いてパンを作ってくれるパン焼き機もあります。炊きたてから焼きたてを作ってくれるのでおいしいです!時間が5時間半以上かかることを除いては…。

○スイッチポンでパンができるなんて楽!

セットするまでに分量を計るのは自分です。全自動ではありません。慣れれば分量を覚えるので2分ほどで準備ができます。違うパンが作りたくなったときには、準備に時間はかかりますが、それでも自分で全部やるより楽です。

○朝から焼きたてのパンが食べられるなんて幸せそう。

朝から焼きたてなんてテンションがあがりますね。ピクニックに行くときにも焼きたてのパンを持っていったこともあります。食べる頃には焼きたてでもなんでもないですが。朝からパンを食べる為には、食べる時間の約4時間前に起きてセットをしなければなりません。楽するために買ったはずが、かなり早起きしないといけないなんて、楽になっているんですかね?それが大変なので、ここぞという時しか、朝のパンはしなくなりました。夜にセットするタイプもありますが、朝までの長い時間に材料が痛んだりするのが抵抗あります。

○パン代の節約になる!

節約なんて安易に考えたものです。節約の前にパン焼き機の元を取るのが先です。

●パン焼き機本体価格15000円。

●食パン1斤の材料費

強力粉60円、砂糖4円、塩1円、イースト菌20円、スキムミルク60円、バター35円。

●電気代8円。

計188円。

あれ?パンってお店で買っても200円くらいで変えますよね。1回で12円しか得していない。パン焼き機本体の元を取るとしたら、1250回パンを焼かないといけません。その前に確実に壊れてしまいます。週に3回作れば8年、週に2回なら12年、週1回なら24年……。果てしなく遠い道のりです。あくまでパン焼き機が壊れなければの話です。パン焼き機は節約にはなりません。買ってきたパンよりおいしいという価値にお金を出したと思いましょう。

ついでにパン1斤のレシピ。

○水180ml、強力粉250g、砂糖大さじ2、塩小さじ0.8、スキムミルク大さじ2、バター10g、イースト菌小さじ1。

そして少しでも元を取る為に暴挙にでた。

業務用25kgの強力粉と、業務用450gのドライイーストを購入。業務用の強力粉って冷蔵庫にも絶対はいらないし、家のキッチンの主のようにデーンといつも座っていた。購入して気づいたのだが、強力粉の賞味期限は6ヶ月、この間にパンを100回焼くなんて余裕だ!と思っていた。計算もせずに週に3回パンを焼き続けて、子供たちもおいしい、おいしいといってたくさん食べてくれた。ちなみに週3でパンを焼くと8ヶ月かかることをまだこの時の私は知らない。

1ヶ月ほどたつと、家のパンに飽きてきて誰も食べなくなった。まだ20kg以上ある強力粉という在庫と賞味期限が、私の肩に重くのしかかる。今さら後悔しても遅い、なんとか使い切るしかない。

パンを飽きた子供達のため(自分のため?)、パンの味を変えてみたり、ピザやケーキやクッキーを作ったり、うどんやラーメンまで手作りし始めた。しかし強力粉も主の座を譲るまいと全く減らない。

実家やじじばばの家に行く時も、忘れずにパンを焼いて持っていった。もはやパン焼き機の元を取ることなどどうでもよくなっていたし、借金に借金を重ねる心理とはこういうものか…と思い始めていた。私が在庫を必死に減らそうとする思惑とは別に、

「いつも子供に手作りのパンやお菓子をあげているなんて、良い奥さんね。」

「いつも手作りのパンを持ってきてくれるなんて、いい嫁さんをもらったもんだ。他にはいないよ。」

と言われるようになっていた。私はいい人間ではない、むしろ元をとろうなどと考えて深みにはまってしまったあざとい人間だ。しかも、在庫(ノルマ)を抱えてしまっている。

賞味期限の6ヶ月が過ぎた頃、だいぶボリュームは減ったが、まだ主として居座っている強力粉がいた。賞味期限は過ぎたが、消費期限はきっとまだ先だろうということで、まだパンを焼き続けていた。

ある時から、パン焼き機で材料を混ぜはしたものの、オーブンで仕上げの焼きをするようになった。その方がおいしく仕上がるのだ。パンを食べ過ぎたために、パンの味の見分けがつくようになってしまい、パン焼き機を使えなくなってしまうというまさかの展開。もう、スイッチポンで満足するような私はどこにもいなかった。

賞味期限から2ヶ月過ぎた頃、無事に主を倒すことができた。達成感はものすごく大きく、強力粉の大きな袋を捨てたときには、

「やってやったー!!!」

とゴミ袋に向かって叫んだものだ。我が家ではまだパン焼き機が材料を混ぜるために、まだ頑張っている。「パン焼き機」から「パンまぜるぞう」に改名してあげた。

パンまぜるぞうは役立たずなどではない。まぜるぞうのおかげで手作りをする癖がついた。お菓子や食べるものがないときも、ノルマを消費する大変さにくらべたら、手作りなんて、たいしたことないと思えた。あのときはノルマを達成するために必死だったが、今では、ただ作ってあげようという気持ちで作れる。ありがとう、パンまぜるぞう!

スポンサーリンク